
マイホームを検討していると、不動産会社や住宅展示場で必ず耳にするのが「坪」という単位。
「30坪の家」「坪単価いくら」といった言葉をよく聞きますが、普段の生活ではあまり使わないため、「実際どのくらいの広さなの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
今回は、家づくりに欠かせない「坪」という単位についてご紹介いたします。さらに、畳や㎡(平方メートル)との違いや、広さをイメージするためのコツについても簡単にご紹介をさせていただきます。
坪とは?

「坪(つぼ)」とは、日本で古くから使われてきた面積の単位です。1坪は約3.3㎡(正確には3.305785㎡)と定められており、これは畳2枚分の広さにあたります。現代の日本では畳のある部屋は少なくなっていますが、江戸時代の町屋や農家の家では身近な存在であった「畳」を基準に家の広さを表していました。そのため、畳2枚分=1坪という感覚が現代まで引き継がれているのです。
坪・畳・㎡の違い

家の広さを表すときには、「坪」「畳」「㎡」の3つがよく登場します。少しややこしいのが、同じ広さを表わしていても、使用する単位によって数字が変わってしまうところです。そのため、家づくりを本格的に進める前に、ある程度、広さの表現について慣れていると、楽です。それでは、それぞれの関係性を整理してみましょう。
- 1坪 = 約3.3㎡ = 畳2枚分
- 1畳 = 約1.65㎡(地域や畳の規格により差あり)
- 1㎡ = 約0.3坪 = 約0.6畳
例えば、延床面積100㎡の家は…
- 約30坪
- 約60畳
上記のように表現することができます。
広さをイメージするコツ

実際に「30坪の家」です。と紹介されても、よく聞く広さだなと感じるだけで、自分たちにとって、その広さが広いのか、狭いのかといった広さの感覚としては、ピンとこない方が多いのではないでしょうか。そこで、おススメしたいのが、置き換えて広さをイメージする方法です。
- 畳を基準に考える
先程ご紹介させていただいた通り「1坪=畳2枚分」なので、例えばリビングが20畳なら 10坪 と換算できます。最近は少し減ってきてしまいましたが、昔は田舎の祖父母の家に行けば畳の部屋がありました。その畳が何枚入る広さなのか?そのようにイメージすると、部屋ごとの広さのイメージがしやすくなります。
2. 坪数を部屋数で割って考える
延床30坪の家をイメージするときは、
- リビング:10坪
- 寝室:4坪
- 子ども部屋:各2坪 ×2部屋
- 収納:5坪
- 水まわりや廊下:7坪
と分けて考えると、具体的な生活シーンが浮かびやすいです。
3. ㎡を平方メートルから「歩幅」に変換する
1㎡は1m×1mの正方形。大人が1歩進むとほぼ1mなので、体感的に「自分の歩幅」で面積を想像するという方法でもリアルに感じることができます。
坪単価とは?

家づくりでよく耳にするもう一つの言葉が「坪単価」です。特に注文住宅を検討している方は、この坪単価という言葉に注目されることが多いのではないでしょうか。実際にお客様からも「こちらで家を建てると1坪あたりいくらぐらいになりますか?」と質問を受けることがよくあります。
坪単価とは、建物価格 ÷ 延床面積(坪) で算出される金額のことです。
例えば、建物価格が2000万円、延床面積が30坪の場合は、
2000万円 ÷ 30坪 = 坪単価約66万円 となります。
ただし、この坪単価には注意が必要です。坪単価は、建物のどこまでを含んで算出するかが明確でなく、建築会社ごとに価格の出し方が異なります。そのため、正確に比較するための指標としてはあまり適していません。さらに、外構工事や諸費用が含まれていない場合も多く、坪単価だけで判断すると誤解につながる点に注意が必要です。

まとめ
「坪」という単位は、普段の生活ではあまり使いませんが、家づくりではとても大切な目安になります。また、30坪の家と聞いても数字だけではピンとこないかもしれませんが、畳の数に置き換えたり、部屋ごとに分けて考えたり、自分の歩幅で㎡をイメージしたりすることで、ぐっと広さの実感が湧いてきます。
今回ご紹介した内容を知っておくと、間取りを考えるときも、建築会社に相談するときもスムーズに話が進みやすくなります。家づくりを考え始めたばかりの方は、まずは「坪ってどのくらい?」を身近な感覚でつかんでみてくださいね。