「建ぺい率」・「容積率」とは?家づくり初心者向け用語解説

家づくりを考え始めたとき、多くの方が最初の方に直面するのが「建ぺい率(けんぺいりつ)」と「容積率(ようせきりつ)」という専門用語です。住宅会社や不動産会社の担当者から説明を受けても、数字や計算が出てくると「ちょっと難しそう…」と感じる方も多いでしょう。

しかし、この建ぺい率と容積率を正しく理解することが、理想のマイホームづくりに欠かせない第一歩です。
この記事では、建ぺい率と容積率について、ご紹介をして参ります。

目次

建ぺい率(けんぺいりつ)とは?

建ぺい率とは、敷地面積に対してどれくらいの割合で建物を建ててよいかを示す数値のことです。
計算式は以下の通りです。

建ぺい率(%)= 建築面積 ÷ 敷地面積 × 100

  • 敷地が100㎡で、建築面積(建物を真上から見たときの面積)が50㎡の場合
     ➡ 建ぺい率は 50%

例えば、お皿の上にケーキを置いたと考えてみましょう。
お皿=敷地、ケーキ=建物。
ケーキが大きすぎるとお皿の余白がなくなりますよね。この「余白」をきちんと残すために定められているのが建ぺい率です。

建ぺい率の目的

  • 火災時の延焼防止
    建物同士の距離を確保
  • 日当たりや風通しの確保
    快適な住環境を守る
  • 街並みの調和
    ぎっしり建物が立ち並ばないように調整

つまり、土地が広くても「建ぺい率」が低ければ、敷地いっぱいに建物を建てられないのです。そのため、自分が建てたい建物の面積を意識して土地探しを進める必要があります。特に、平屋の家を建てたい方は注意しましょう。

容積率(ようせきりつ)とは?

容積率とは、敷地面積に対して建物の延べ床面積がどれくらいの割合で建てられるかを示す数値です。

容積率(%)= 延べ床面積 ÷ 敷地面積 × 100

  • 敷地が100㎡で、延べ床面積(各階の合計床面積)が150㎡の場合
     ➡ 容積率は 150%

建蔽率と同様に、ケーキで例えると、今度は「高さ」が加わります。
建ぺい率はお皿に対してのケーキの大きさでしたが、容積率は「ケーキを何段重ねて良いか」にあたります。

例えば、土地面積が100㎡で容積率が200%の敷地があった場合、「延べ床面積」が200㎡まで建てることができます。1階を100㎡、2階を100㎡にすればちょうど200㎡ですね。

容積率の目的

  • 過密な居住を防ぐ
    人口密度の調整
  • 道路幅とのバランス
    道路が狭いのに高層ビルが建つと危険
  • 街全体の快適さ
    光や風が届きやすい街づくり

つまり、容積率が高ければ、同じ土地でも 広い家・多層階の家を建てられます。逆に容積率が低い土地では、「思ったより小さい家しか建てられない」ということ起きる可能性がありますので、注意が必要です。

家づくりで建ぺい率・容積率が大切な理由

(1) 思い描いた間取りが実現できないこともある

「大きなリビングを作りたい」「3階建てにしたい」と考えても、建ぺい率や容積率の制限によって建てられる規模が決まります。

(2) 土地選びの段階から影響する

同じ広さの土地でも、建ぺい率や容積率の数値が違えば建てられる家の大きさは全く変わります。
「安いから」と飛びついた土地が、実は思ったより小さな家しか建てられなかった…というケースも少なくありません。

家づくり初心者が注意したいポイント

  1. 不動産広告の数値を確認
     「建ぺい率60%・容積率200%」などと記載されているので要チェック。
  2. 角地や前面道路幅によって緩和されることあり
    角地の場合は建ぺい率が10%緩和されるケースがあります。
  3. 都市計画区域外では制限がない場合も
    ただし、住環境が守られにくいので注意が必要です。
  4. 建築士に早めに相談する
    自己判断せず、設計士に「この土地でどんな家が建てられるか」を確認するのが安心。

まとめ

建ぺい率と容積率は、家づくりにおいて「どれくらいの大きさの家が建てられるか」を左右する、とても重要なルールです。「庭を広くとりたい」「2階建てでゆったりとしたリビングを作りたい」といった希望も、この数字によって実現の可否が決まります。大切なのは、数字をただ確認するのではなく、「この土地ならどんな家が建てられるのか」具体的にイメージすること。そのためにも、まず信頼できる住宅会社を見つけ、自分の理想をしっかり共有したうえで土地探しを進めるのがおすすめです。

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