
夏になると、1階はまだ過ごしやすいのに、2階はまるでサウナのように暑い…。寝室が2階にあるご家庭では「夜が寝苦しい」という声をよく耳にします。実はこれ、家のつくりや空気の性質によっておこる現象です。この原因を知れば「なぜ?」が「なるほど!」に変わり、今後の対策のヒントも見えてきます。
本日は、なぜ2階が暑くなりやすいのか?そして、簡単に取り入れられる暑さ対策から本格的なリフォーム方法まで、ご紹介します。
どうして2階は暑くなるの?

はじめに、なぜ2階が暑くなるのか?考えられる原因についてご紹介いたします。
(1)空気の性質が原因
空気には「暖かい空気は上に、冷たい空気は下にたまる」という性質があります。エアコンで1階を涼しくしても、その冷たい空気は下にとどまってしまい、2階はなかなか涼しくならないのです。
(2)屋根からの熱が伝わる
夏の日差しを直接浴びる屋根は、表面温度が60℃以上になることもあります。その熱が屋根裏を通して2階に伝わり、室内をじんわり暑くしてしまいます。
(3)家の断熱やすきまの問題
断熱が不十分な家では、外の暑さが壁や天井を通して室内に伝わってきます。また、換気計画が不足していると、熱がこもってしまい、暑い状態が続きます。
(4)窓からの強い日差し
南向きや西向きの大きな窓は、室内へたくさんの熱を取り込みます。特に軒や庇のない2階の窓は、太陽の光を遮るものがなく、直射日光を受けやすいので、どうしても暑くなりやすいのです。
暑さをやわらげるためにできる工夫

どうして2階が暑くなってしまうのかが分かったら、次は、簡単にできる暑さ対策についてご紹介いたします。
(1)空気をかき混ぜる
- 扇風機やサーキュレーターで空気を循環させる
- 階段を利用して1階の涼しい空気を2階へ送る
- 天井にシーリングファンをつけるのも効果的
空気をかき混ぜることで、部屋ごとの温度差をやわらげることができます。
(2)日差しをカットする
- 窓の外にすだれやシェードをつける
- 遮熱カーテンを利用する
- 窓ガラスに貼るフィルムを取り入れる
ポイントは「熱を室内に入れないこと」。入ってしまった熱を冷やすよりも、最初から防ぐほうが効率的です。
(3)エアコンの使い方を工夫する
- 2階に専用のエアコンをつける
- タイマーで完全に切るよりも、弱い運転を続けるほうが快適で省エネになる場合が多い
- フィルターをこまめに掃除して効率を下げない
ちょっとした使い方の工夫でも、体感温度はぐっと変わります。
家づくりやリフォームでできる本格的な対策

簡単にできる対策をもってしても、暑くて生活をするには不便と感じた時は、本格的な断熱リフォームを検討するという手もあります。
(1)屋根や天井にしっかり断熱材を入れる
屋根からの熱をシャットアウトすれば、2階の暑さは大幅に軽減できます。
(2)屋根裏に熱を逃がす仕組みをつくる
換気口をつけて、屋根裏にたまった熱を外へ逃がす工夫です。サウナのような屋根裏を放っておくと、2階が暑くなるのも当然です。
(3)窓を性能の高いものに変える
最近は、夏の強い日差しを反射してくれる窓ガラス(Low-Eガラスなど)もあります。これなら冷房の効きも良くなり、快適に過ごせます。
まとめ
2階が暑くなるのは、「空気の性質(暖かい空気が上に行く)」、「屋根や窓からの熱」、「断熱や換気不足」といった理由によるものです。まずは、「扇風機で空気を回す」「日差しを遮る」といった簡単な工夫から始めてみましょう。さらに快適さを求めるなら、家の断熱や窓を見直すと、長い目で見て大きな効果があります。暑い夏も家族みんなが快適に眠れるように、少しずつ工夫を取り入れてみてください。