私たちは1日の多くを家で過ごします。
一般的な1日の在宅時間は15時間程と言われており、1年間で約228日もの時間を家で過ごしていることになります。そこから考えると、家の環境が生活の質に大きな影響を与えることは明らかです。
本記事では、注目を集める住宅性能と生活の質向上の関係について解説します。
高断熱・高気密住宅は「睡眠の質」を高める
睡眠は、心身の疲労を回復させたり体を休養させたりする働きがあり、健康を維持するために欠かすことができません。しかし、冬の寒さや夏の暑さ、梅雨の湿気等、季節ごとに睡眠を妨げる現象は、しばしば起こります。それによって、寝付きにくくなったり、寝苦しく感じたり、夜中に目を覚ましてしまったり、朝起きてもスッキリしていないといった状態が起きます。
睡眠は、健康な生活の基盤であり、その質を左右する要素には、「室温」「湿度」「騒音」等が含まれます。外気の影響を受けにくい高断熱・高気密住宅は、これらの要素を最適化する設計になっており、睡眠環境にも大きな助けとなってくれます。
ここでは、なぜ高断熱・高気密住宅が「睡眠の質」を高めるのかについて解説をしていきます。
睡眠の質を高める理由
一定した室温の維持
高断熱住宅は、外気の影響を受けにくく、冬は暖かく、夏は涼しい室温を維持しやすい特徴があります。これは、睡眠中に体温調整がしやすくなることを意味します。寝室が快適な温度に保たれることで、睡眠中に体が冷えすぎたり暑くなりすぎたりすることが少なくなり、深い睡眠が得られやすくなります。特に、寒い季節や真夏の熱帯夜でも、一定した快適な温度が保たれるため、エアコンや暖房器具に頼り過ぎずに済み、自然に心地よい眠りをサポートします。これにより、睡眠の中断を減らすことができ、結果的に睡眠の質が向上します。
湿度のコントロール
高気密住宅は、家全体の湿度管理がしやすいという特徴があります。湿度は睡眠の質に大きな影響を与えます。例えば、空気が乾燥しすぎると呼吸器に負担がかかり、逆に湿度が高すぎると不快感を感じることがあります。高気密住宅では、適切な換気システムや加湿器を活用することで、理想的な湿度(40~60%)を保つことができます。これにより、喉や肌の乾燥を防ぎ、寝苦しさが軽減されます。
遮音性が高い
高気密住宅は、外部の騒音を遮断する能力も高いため、静かな環境が確保されやすいです。車の音や隣人の生活音、風の音など、外部の騒音が睡眠を妨げることがありますが、高気密住宅ではこれらの音が大幅に抑えられます。静かな環境は、入眠しやすく、深い眠りを持続するための重要な要素です。
空気の質の改善
高気密住宅は、換気計画通りに換気することができるため、常に新鮮な空気が室内に取り込まれ、汚れた空気が排出されます。これにより、空気中の二酸化炭素濃度やアレルゲンが低減され、健康的な睡眠環境が維持されます。新鮮で清潔な空気は呼吸がスムーズになり、快適な睡眠をサポートします。
自律神経への影響
快適な温度と湿度、静かな環境、新鮮な空気は、自律神経の安定にも寄与します。特に、睡眠中は副交感神経が優位に働き、リラックス状態を維持することが大切です。高断熱・高気密住宅では、このような快適な環境が整っているため、ストレスを感じにくく、リラックスした状態で入眠しやすくなります。
高断熱・高気密住宅は、「室温」、「湿度」、「遮音」、「空気質」といった要素をコントロールし、身体への負担やストレスを軽減することができ、質の高い睡眠環境を提供してくれます。安定した快適な住環境が整うと、睡眠中にストレスを感じにくく、深い眠りが得られやすくなります。
この睡眠の質のほかに、もう一つ生活の質に繋がる嬉しいメリットがあります。それが、活動量のアップです。
高断熱・高気密住宅は「活動量」を上げ、タイムパフォーマンスを高める
国土交通省が支援する(一社)日本サステナブル建築協会が行なっている、調査の一つに断熱改修「前」と「後」で活動量が変わったという調査結果がございます。
断熱改修(または非改修の)前後2回の調査データを用いて 分析した結果※1、断熱改修によって居間や脱衣所の室温が上昇し、コタツや脱衣所の暖房が不要となった場合などに、1 日平均の住宅内軽強度以上活動時間は、男性では65歳未満 で約23分、 65歳以上で約35分、女性では65歳未満で約27 分、65歳以上で約34分、有意に増加※2。
引用(「断熱改修等による居住者の健康への影響調査 概要」)
以下、「断熱改修等による居住者の健康への影響調査 得られつつある知見7」より抜粋
- 断熱改修後の室温上昇による活動時間の増加
- 居間や脱衣所の室温が上昇し、暖房器具(こたつや脱衣所暖房)が不要になったことで、1日の住宅内活動時間が有意に増加。
- 増加した活動時間(1日平均):
- 65歳未満の男性:+22.8分
- 65歳以上の男性:+34.0分
- 65歳未満の女性:+27.0分
- 65歳以上の女性:+33.9分
- 室温変化の具体例:
- 脱衣所の最低室温が+1.8~+2.2℃上昇。
- 居間の平均室温が+1.8℃上昇。
- 住宅環境の改善:
- 改修前後で、室温の上昇が「居住者の活動量」増加に寄与。
このような調査結果により、高断熱・高気密住宅に住むことによって活動時間が有意に増加する問うことが分かります。なぜ活動量の上昇へ繋がったのか、その理由として考えられる内容をご紹介いたします。
高断熱・高気密住宅にすると活動量が上がる理由
体温調整のエネルギーが減少
人間の体は、寒い環境では体温を維持するためにエネルギーを多く使い、暖かい環境では逆にエネルギーを消費して体を冷やそうとします。高断熱・高気密住宅は、冬でも家全体が均一に暖かく、また夏は涼しいため、体が必要以上にエネルギーを消耗することなく、適切な体温を保ちやすい環境です。結果として、活動に使うエネルギーが増えます。
ストレスの軽減
快適な室内環境は、寒さや暑さ、ジメジメとした湿気によるストレスを減らし、気持ちの面でもリラックスさせます。温度や湿度の快適な家では、家の中を動き回ることに抵抗感が少なくなり、掃除や片付け、家事、運動といった日常的な活動をしやすくなります。また、ストレスが少ないことで気分が前向きになり、アクティブに過ごす意欲も高まります。
まとめ
高断熱・高気密住宅は外気温の影響を受けにくく、室内の温度変化が少ないため、家全体が均一に暖かい。または涼しい状態を保ちやすくなります。「家の環境を改善することで、あなたの生活の質はどのように変わるでしょうか?」例えば、冬に「布団からなかなか出られない」「炬燵から出られない」、「寒くて動きたくない」。または、夏に「寝苦しく、汗をかく」、「朝起きると疲れている」。そのような現象が軽減され、朝はスッキリと目覚め、布団から直ぐに起き上がることができる。そして、日中は活発に活動ができる。夜は心地よい眠りにつくことができる。
健康だけにフォーカスが当てられがちではありますが、充実した一日を過ごすために必要な「身体」を整える一助となり、「布団からでられない」や「動きたくない」といった時間のロスも軽減することができるため、より余裕のある豊かな暮らしへ繋がります。
eSmy-homeでは、埼玉県越谷市を中心に千葉県の一部の地域で「高断熱・高気密」の家をご提供しております。ご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。