
かつて主流だったカーテンに代わり、今ではブラインドやロールスクリーンなど、選択肢が多様化しています。そのため、実際に窓まわりのアイテムを選ぶ際、何を選んだら良いのか分からないという方も多いのではないでしょうか。
いま、住宅やオフィス、商業施設など、あらゆる空間で「ブラインド」の採用が増えています。見た目がスタイリッシュなだけでなく、機能面でも注目されているブラインド。本日のコラムでは、なぜ今ブラインドが選ばれているのか、その理由とその他の窓まわりのアイテムについてご紹介いたします。
変化してきた窓まわり文化

戦後の日本では、障子やすだれといった和の要素が中心だった窓装飾が、洋風建築の普及とともにカーテン文化へと移行しました。その後、高度経済成長期には厚手の遮光カーテンが各家庭に定着し、90年代にはカントリースタイルや北欧風などインテリアとのコーディネートが重視され始めていきました。そして現在では、「省エネ」や「清掃性」、「スマートホーム対応」といった実用性が求められるようになり、「ブラインド」や「電動シェード」、「ハニカムスクリーン」等を採用するケースが増えつつあります。こうした変遷を経て、現在は多種多様なアイテムがあります。
ブラインドが選ばれる3つの理由

実用性に優れたアイテムの中でも、特に注目されているのが“ブラインド”です。ここでは、ブラインドが選ばれる理由とともに、現代の窓まわり事情を紐解いていきます。
① デザイン性:ミニマル&モダンな空間にマッチ
カーテンに比べて、ブラインドはすっきりとした印象を与えます。特にナチュラルモダンや北欧テイストのインテリアにマッチし、空間をより広く、洗練された印象に見せる効果があります。また、カラーバリエーションも豊富で、アルミ、ウッド、ファブリックといった素材の選択肢も広がっており、インテリアとのコーディネートがしやすくなっています。
② 機能性:断熱・遮光・光のコントロールが自在
ブラインドは羽根(スラット)の角度調整により、日光の量を細かく調整できます。これにより夏は日射を遮り、冬は日射を取り込みやすいように調整することができるため、室内温度を一定に保ちやすく、冷暖房効率がアップします。また、遮光タイプのブラインドを選べば、寝室やシアタールームにも最適。昼夜を問わず快適に過ごせる点も大きなメリットです。
③ メンテナンス:掃除がしやすく衛生的
カーテンは定期的に洗濯が必要で、特に大型窓用のものは取り外しも一苦労。その点ブラインドは、ホコリがたまりやすいものの、羽根を軽く拭くだけで手入れが完了します。さらに、近年は防汚加工が施された商品も多く、衛生面でも安心です。アレルギーが気になる方や、ペットと暮らす家庭にも人気があります。
どっちがライフスタイルに合う?

とはいえ、すべてのケースでブラインドが最適というわけではありません。カーテンとブラインド、それぞれの特徴について知り、自分の生活スタイルやインテリアに合った選択をすることが大切です。それぞれの特徴を表にまとめたので、ご覧ください。
特徴 | カーテン | ブラインド |
デザイン | 柔らかくナチュラル | シャープでモダン |
光の調整 | 開け閉めの2択 | 角度で細かく調整可 |
断熱性 | 素材により変動 | 高い断熱・遮熱性能 |
掃除の手間 | 洗濯が必要 | 拭き掃除でOK |
コスト | 種類によるが比較的安価 | 高機能モデルは高め |
住宅・オフィスでの導入事例

最近では、事務所や商業施設だけではなく、注文住宅でもてブラインドを選ばれる方が増えてきました。特に人気なのが「ウッドブラインド」や「バーチカルブラインド」。リビングの大開口窓に、このようなブラインドを取り付けることによって、自然光を取り込みつつもプライバシーを守る設計が可能です。また、オフィスでは「電動ブラインド」の導入が進んでおり、タイマーやセンサー連動での自動開閉が省エネ・快適性の向上につながっています。
ハニカムサーモスクリーンとは?断熱・省エネ性能で注目される次世代ウィンドウアイテム

もう一つご紹介したいのが、近年、注目を集めている窓装飾のひとつハニカムサーモスクリーンです。名前の通り、蜂の巣(ハニカム)状の構造が特徴で、その内部に空気層を持つことで、断熱・遮熱に非常に優れた性能を発揮します。一般的なブラインドやカーテンは素材によって熱の伝導を防ぐ形ですが、ハニカムスクリーンは「空気を閉じ込めて熱を遮断する」という発想のアイテムです。これは建築の断熱材と同じ仕組みであり、冷暖房の効率を飛躍的に高める効果が期待できます。


特に以下のようなケースで効果を発揮します:
- 高断熱住宅やZEH住宅との相性が抜群
- 夏場の強い日差し対策(遮熱)
- 冬場の窓際の冷気の侵入防止
- 冷暖房費の削減につながる省エネ効果
また、ハニカムスクリーンには遮光タイプ、採光タイプ、レースとのコンビネーションタイプなど様々なバリエーションがあり、使い方に応じて選べるのも魅力です。さらに、コードレス・ワンタッチ開閉・電動操作など、安全性と利便性にも配慮された仕様が多く、小さなお子様やペットがいるご家庭でも安心して使用できます。機能性・快適性・省エネ性を兼ね備えたハニカムスクリーンは、「見た目のデザイン性」だけでなく「住まいの性能アップ」を重視する層から、選ばれています。
その他の窓まわりアイテム

窓まわりのアイテムには、カーテン・ブラインド・ハニカムスクリーンだけでなく、さまざまなスタイルがあります。ここでは、その他のアイテムについてご紹介します。
ドレープカーテン:重厚感と遮光性を兼ね備えた定番
厚手の布地で作られたドレープカーテンは、遮光・断熱効果が高く、寝室やリビングに最適。色や柄のバリエーションが豊富で、インテリアに合わせた演出ができるのが魅力です。装飾レールやタッセルとの組み合わせで、よりラグジュアリーな印象にも。
レースカーテン:柔らかな採光とプライバシーを両立
日差しをやわらかく拡散しつつ、視線を遮る機能性を持つレースカーテンは、主にドレープカーテンとの組み合わせで使用されます。UVカット・遮熱・ミラーレースなどの高機能モデルも登場し、省エネや紫外線対策にも効果的です。
ロールスクリーン:空間をすっきり見せるシンプル設計
シンプルな構造で、空間を圧迫せずスッキリ見せたい方に人気のアイテム。開閉もワンタッチで簡単、カーテンよりもミニマルな印象に仕上がります。遮光・防炎・防汚などの機能性にも優れたバリエーションが豊富です。
バーチカルブラインド:大開口窓に映える縦型ブラインド
スラットが縦方向に動くバーチカルブラインドは、高さのある窓やスライドドアに最適。開閉方向も選べ、遮光・採光のバランスも自在。モダンで開放感のある空間演出にぴったりです。オフィス・店舗でも広く使われています。
プリーツスクリーン:和モダン空間にマッチする織物の風合い
折りたたみ式の布地でできたプリーツスクリーンは、和室にも洋室にも合う和モダンな印象が魅力。上下開閉タイプの「ツインスタイル」では、レースと厚地を1枚で使い分けることができ、柔らかな光を取り入れながらプライバシーも確保できます。
まとめ
窓まわりの選択肢が広がった今、自分たちのライフスタイルに本当に合ったアイテムを選ぶことが、日々の快適さに直結します。例えば、インテリアにこだわりたい方にはデザイン性の高いブラインド、冷暖房効率を重視したい方には断熱性に優れたハニカムスクリーン、小さなお子さまやペットがいる家庭には安全性を重視したコードレスタイプなど、目的や暮らし方に応じて最適な窓まわりは変わります。空間の使い方や過ごし方を見直してみることで、より心地よい住まいを実現できるはずです。ぜひ、家族構成やライフスタイルに合わせて、ぴったりの窓まわりアイテムを見つけてみてください。