市街化調整区域でも家は建てられる?越谷市で土地購入を検討する方に向けた基礎知識

注文住宅を検討する際、多くの方が最初につまずくのが「土地探し」です。特に不動産情報を見ていると必ず目にするのが、「市街化区域」「市街化調整区域」という言葉ではないでしょうか。

「価格が安い」「敷地が広い」という理由で気になった土地を見つけて詳細を確認すると、市街化調整区域だったというケースは、埼玉県越谷市周辺でも決して珍しくありません。しかし、市街化調整区域=家が建てられない、と単純に判断してしまうのは早計です。

本コラムでは、市街化区域と市街化調整区域の違いや、それぞれの特徴とメリット・注意点、埼玉県越谷市において、越谷市において市街化調整区域でも建築できる代表的な条件、そして最後に土地探しで失敗しないための考え方についてもご紹介いたします。

市街化区域と市街化調整区域とは

都市計画法に基づく「線引き制度」

市街化区域と市街化調整区域は、都市計画法に基づく「区域区分(線引き)」によって定められています。この制度の目的は、無秩序な市街地の拡大を防ぎ、路・上下水道・学校などの整備を効率的に行い、将来を見据えた計画的なまちづくりを行うという点にあります。

市街化区域は、今後おおむね10年以内に、優先的に市街地として整備・発展させていくエリア
市街化調整区域は市街化を抑制し、農地や自然環境を守ることを重視するエリア

市街化区域の特徴

ここでは、市街化区域の特徴を主に3つの視点からご紹介します。

原則として住宅建築が可能

市街化区域は、住宅・商業施設・公共施設などの建築が想定されているエリアです。用途地域による制限はあるものの、原則として住宅を建てることができます。そのため、土地を購入してから建築に至るまでの流れが比較的スムーズで、初めての家づくりでも安心感があります。

インフラが整備されている

道路、上下水道、ガスなどのインフラ整備が進んでいる点も市街化区域の大きな特徴です。上下水道が整っている、ゴミ集積所や街灯がある、小中学校や商業施設が近いといった日常生活の利便性が高い環境が整っています。

土地価格は高め

一方で、利便性が高い分、土地価格は市街化調整区域と比べて高くなる傾向があります。特に駅近や人気学区といった条件が重なると、予算とのバランスに悩まれる方も少なくありません。

市街化調整区域の特徴

続いて、市街化調整区域の特徴についても、同様に3つの視点で見ていきます。

原則として住宅の新築は制限される

市街化調整区域は、市街化を抑制するための区域であり、原則として住宅の新築は認められていません。ただし、これは「すべての土地で絶対に建てられない」という意味ではありません。一定の条件を満たせば、例外的に建築が許可されるケースがあります。

インフラ整備は事前確認が必須

市街化調整区域では、上下水道が未整備で都市ガスが通っていないといったケースも多く見られます。その場合、浄化槽の設置や維持管理、プロパンガスの利用、井戸水を使用するといったことが必要になります。これらは、初期費用だけでなく、将来的なメンテナンスも自己管理となるため、
「自分たちの生活スタイルに合うか?」という視点がとても重要です。

土地価格が比較的安い

建築制限がある分、市街化区域に比べて土地価格が抑えられていることが多いのは大きな魅力です。また、敷地が広い土地も多く、「平屋住宅」や「駐車場を複数台確保したい」、「庭や家庭菜園を楽しみたい」といった希望をお持ちの方にとっては、非常に魅力的な選択肢となります。

「建てられる市街化調整区域」と「建てられない市街化調整区域」?

市街化調整区域は原則として住宅の新築は認められていません。だからといって、すべての土地で建築不可というわけでもありません。重要なのは、「誰が」「どのような目的で」建築するのかです。建築の可否は都市計画法第34条に基づき判断され、その具体的な運用基準は自治体ごとに異なります。そのため、市町村ごとに条件が異なる点には注意が必要です。

越谷市の市街化調整区域で建築できる人の主な条件

ここからは、埼玉県越谷市における代表的な建築可能ケースを解説します。あくまで一般的な例であり、最終的な判断は必ず越谷市への事前相談・許可申請が必要となります。

1. 地元に一定期間居住している「分家住宅」

越谷市では、以下のケースで、一定条件のもとで建築が認められる場合があります。

  • 市街化調整区域に長年居住している親族がいる
  • その親族から分家するための自己居住用住宅

そのため、当然のことながら、投資目的や賃貸住宅は認められず、あくまで「本人が住む家」であることが前提です。

2. 線引き前から宅地であった土地

都市計画区域の線引きが行われる以前から、すでに宅地として利用されていた土地については、条件付きで建築が認められるケースがあります。ただし、以下の条件が必要となり、専門的な確認が不可欠です。

  • 登記簿上の地目
  • 当時の利用状況を証明する資料

3. 既存住宅の建て替え

市街化調整区域内で、すでに適法に建てられている住宅であれば、同一用途・同一規模程度での建て替えが可能な場合があります。この場合でも、以下の条件によって判断が分かれるため、事前調査が重要です。

  • 建築当時の許可内容
  • 敷地条件や接道状況

4. 越谷市の許可基準に適合する場合

越谷市では、都市計画法第34条各号に基づく独自の運用基準が設けられています。内容は専門的ですが、要点としては以下のような視点で判断されます。

  • 周辺の土地利用との調和が取れているか
  • 公共施設への過度な負担がないか
  • 無秩序な市街化を促進しないか

市街化調整区域で家を建てる際の注意点

住宅ローンの制限

金融機関によっては、市街化調整区域の土地・建物に対して融資条件が厳しくなることがあります。土地購入前に金融機関への相談は必須です。

将来の売却リスク

ここまでご紹介した通り、市街化調整区域に建築できる人は限定されています。そのため、将来的に売却しにくい可能性があります。「ずっと住み続ける」という前提での計画が重要です。

土地探しで苦戦しやすい人の特徴

「掘り出し物件」を探し続けてしまう

土地探しをしていると、
「もっと安い土地があるはず」
「掘り出し物件を見つけたい」
と考えてしまいがちです。

しかし、この考え方が強くなりすぎると、土地探しが長期化してしまう原因にもなります。

土地は基本的に相場でしか売られていない

土地は、基本的に相場の価格でしか売られていません。
売主の立場に立って考えてみると、その理由は明確です。

相場より安く売るメリットはほとんどなく、少しでも高く買ってくれる人が現れれば、売主としては嬉しいのが自然です。

安い土地には必ず理由がある

「良さそうなのに、なぜ安いのか?」
そう感じたときは、必ず理由を調べてください。

市街化調整区域の場合、

  • 建築条件が厳しい
  • インフラが未整備
  • 将来の売却が難しい

といった理由が価格に反映されていることが多くあります。

価格だけで判断せず、「なぜこの価格なのか?」を理解した上で選ぶことが、後悔しない土地探しにつながります。

まとめ

市街化区域と市街化調整区域には、それぞれ異なる特徴があり、一長一短があります。
どちらが良いかは、「どんな住まいで、どんな暮らしをしたいのか」というご自身やご家族の希望によって変わります。

利便性や将来の資産価値を重視する方にとっては、市街化区域が向いているケースが多く、
一方で、喧騒から離れた落ち着いた環境で暮らしたい方には、市街化調整区域が合う場合もあります。

越谷市周辺で土地探しをされている方は、ぜひ区域の違いを正しく理解したうえで、納得のいく家づくりを進めてください。