注文住宅を建てようと考えたとき
多くの方が「デザイン」や「設備」について思いを馳せ、「費用」について頭を悩ませるのではないでしょうか。
そして、「性能」については、日本のモノづくりへの信頼度が高く、今の時代は「どこで建てても変わらない」と考えてはいませんか?
家は30年、50年、70年と生活を営んでいく大切な器です。
「住み心地」に直結する「性能」を疎かにすると長く住むほどに損をしています。
本記事では、断熱性能の基準のひとつである「HEAT20 G2」について、ご紹介をさせていただきます。
一番はじめのキホン「断熱性能」を知る
断熱性能とは
建物の「内側」と「外側」で「熱」の出入りを、どれだけ抑えることができるかを示す性能です。外部と内部の温度差によって生じる熱の伝達を最小限に抑え、室内の温度を安定して維持する能力を指します。断熱性能とは、主に「熱伝導率(λ値)=熱の伝わりやすさ」、「熱抵抗値(R値)=熱の伝わりにくさ」、「熱貫流率(U値)=熱の移動のしやすさ」の3つから構成されており、建物の断熱性能は、外皮平均熱貫流率(UA値)で求められます。
外皮平均熱貫流率(UA値)とは
建物全体の断熱性能を示す指標の一つで、「平均熱貫流率」とも呼ばれます。UA値は、住宅の内部から外壁や屋根、窓、床等の外部へ面している外皮を通過してどれくらい外部へ熱が逃げるのかを外皮全体で平均した値のことを指します。
このUA値は、数字が小さければ小さいほど住宅の内部から外部へ逃げる熱の量が少なく、断熱性能は高いことを示します。
断熱性能はいくつかの指標があり、HEAT20のG2も指標のひとつで地域ごとに基準となる数値は異なります。
20年先を見据えた「HEAT20」とは?
HEAT20とは一般社団法人20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会の略称名です。
(Society of Hyper- Enhanced insulation
and Advanced Technology houses for the next 20 years)
2009年に「20年先を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会」として発足し、2020年7月より一般社団法人化されました。彼らは「主として居住空間の温熱環境・エネルギー性能、建築耐久性の観点から、外皮技術をはじめとする設計・技術に関する調査研究・技術開発と普及定着を図ることを目的」として活動し、研究を重ねている団体です。
HEAT20では、地域の気候を踏まえ市町村単位で8地域に区分し、それぞれの気候に適した断熱性能の基準値を定めています。この基準値は国の施策の「省エネルギー基準」や「ZEH」基準よりも厳しい基準が定められています。
「G」グレードの違い
引用サイト詳細はこちら≫「HEAT20の家-手に入れよう豊かな暮らし-」
G1
G1の3~7地域では、最低室温がおおむね10℃を下回らない設定とされており、北海道や東北の1・2地域では、13℃を下回らない設定とされています。
3~7地域の最低室温10℃とは、特に非暖房室の表面結露によって、内装材が汚れたり、カビが発生したりすることを防ぐために必要な最低温度です。
つまり、非暖房室の表面結露の防止には、最低でも室内温度は10℃以上必要ということです。
このG1は、HEAT20が提唱する一番低い性能水準ですが、国が提唱している「ZEH基準」よりも高い水準であることを忘れてはなりません。
G2
G2の3~7地域では、おおむね13℃を下回らない設定とされています。
1・2地域では、おおむね15℃を下回らない設定とされており、室内の温度むらを小さくし、住まい手の暮らしやすさの向上や温度ストレスを考え導きだされています。
G3
G3 は 2019 年に「HEAT20 からのメッセージ 2019 報告会」で新たに定められた水準です。
3~6 地域では、おおむね 15℃を下回らない設定とされ、1、2、7 地域では、おおむね 16℃を下回らな い設定とされています。
G3が最も優れた断熱性能を有していますが、性能を高めるということは、コストも高くなります。どの基準が望ましいかは、オーナー様の判断基準によって異なりますが、高めた性能から得られる快適な居住空間の体感温度とコストバランスが最も高いと言われているのが「HEAT20 G2」の家です。
G2の断熱性能のメリット
―1年中、快適に生活することができる
夏の暑さや冬の寒さも、エアコン1台で快適な室内温度を保つことができます。設計の工夫も加えれば、家のどこに行っても一定の温度で快適に生活することができます。冬の朝、寒くてお布団から出るのが億劫だといったことがないため、起きてからすぐに布団からでられるのは、当たり前です。そして、夏に暑くて寝苦しいといった現象もなく、すやすやと眠ることができます。
—生涯光熱費を削減することができます
少ないエネルギーで室内を快適な温度に整えることができるため、光熱費が安くなります。
そのため、夏の暑い時期も冬の寒い時期も電気代を気にしてエアコンを我慢するといった必要はありません。また、将来値上がりが想定されるエネルギーコストの対策としても、期待できます。
もともと月々10,000円ほどの電気代であれば、将来2倍、3倍に上がってしまったとしても、調整は必要かもしれませんが、そこまで負担はありません。それが月々20,000円の家だったらどうでしょうか?2倍になると40,000円、3倍になると60,000円。月の生活費をやりくりするのも大変です。光熱費は生涯ローンともいわれていますので、長く住む家を検討されているのであれば、なおさら大切なポイントです。
—健康は家で手に入れることができます
性能の高い家は、身体への負担が少なく優しい住まいです。結露がおきづらく、カビやダニの発生を抑制します。
それにより、カビやダニの死骸が空気中に舞うことなく清潔な空気を吸うことができるため、アレルギー性の喘息や鼻炎等の改善が期待できます。また、一定の室温を保てるということは、冬に増えるヒートショックによる死亡のリスクが激減します。そういった疾病のリスクが軽減できるということは、それだけ体に負担のかからない暮らしをすることができるということです。
—耐久性が高く、ながく住むことができます
結露は表面に見える現象だけではありません。もっとも恐ろしいのが建物完成後には見えなくなってしまう壁の中で発生する壁体内結露という現象です。
壁の中で結露が発生し、断熱材が水分を吸収しカビが発生。水分を含んだ断熱材が建物を支える構造材に接しているため、そこから構造材の腐敗が進み建物の耐久性が劣化する原因になります。家づくりは簡単にメンテナンスすることが困難な部分をどうするかで、その耐久性は変わります。断熱性能を高めることで、この壁体内結露を抑制することができるため、家の耐久性を高めることにも繋がっています。
まとめ
HEAT20 G2の住まいについて、解説をさせていただきました。
家の「性能」の良さは体感しないとなかなか分からないところが残念ですが、「性能」の良い住まいを知らずに、生活している方は、知らないゆえに「損」をしています。今までお家づくりに携わらせていただいたオーナー様の多くが、満足してくださっている一番のポイントが家の「性能」です。
「住んでみないと分からない」ことではありますが、住んでから一番喜ばれているのは「家の性能」であることも間違いありません。これから家づくりをご検討される際には、HEAT20が示すグレードを基準にすることをおすすめします。価格と性能のバランスが高いのが「HEAT20 G2」です。
eSmy-homeでは、埼玉県越谷市を中心に千葉県の一部の地域でも「HEAT20 G2」の住まいをご提供しております。
高断熱・高気密・高耐震の家づくりにご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。