家もコスパで選ぶ時代~長く住むなら家も燃費で考える~

家づくりを計画するうえで、誰もが気になる金額。
高額な買い物だからこそ、慎重になります。

そして、多くの方が予算をどう削るべきか頭を悩ませているはずです。
金額が高いため、ついイニシャルコストにばかり目がいってしまいますが、家は一度建てたら30年、50年、70年と暮らしていく場所です。

最初のコストのかけ方で、これからの30年、50年、70年の出費が変わることも忘れてはいけません。

本記事では、なぜ住宅の性能に注目が集まっているのか。その理由の一つである建物が完成した後の「費用」に着目して、ご紹介をさせていただきます。

目次

性能の高い住宅は、長く住むほど「光熱費」が得になる


車を買うとき、「リッターどれくらい走るのか?」そんなふうに「燃費」の良し悪しで車の購入の判断をされる方も多いのではないでしょうか。実は、住宅も車と同様に家の性能で毎月の「光熱費」が変わります。


断熱性能と気密性能の高い家のことを「魔法瓶」のような家と例えられるように、まさしくイメージは「魔法瓶」です。魔法瓶の水筒に温かいお茶を入れて会社に持っていく。お昼に飲んでも、まだ温かく。夕方に飲んでも、ほんのり温かい。保温性の高い器。



これを人が生活する「家」でイメージをすると
冬季の寒い夜、暖房を切って寝る。翌朝の起床時の外気温は5℃で、室内温度は15℃程度。これは、寝る前に暖房で暖められた室内温度を外に逃げていきにくくするといった「保温」効果によって室内温度の急激な低下を防ぐことができているということです。この保温力は断熱性や気密性の数値によって異なります。

このように、室内でつくりだした快適な室内温度を外に逃がしにくくすることができるため、少ないエネルギーで快適な住環境を整えることができます。もちろん、住宅の大きさや間取りによっても異なりますが、年間を通してエアコン1台で家のなかを快適な室温に整えることができるのです。

つまり、少ないエネルギーで快適な室温を維持することができるということは、月々の光熱費を安く抑えることができるということです。

光熱費は生涯ローンとも言われており、生きていく限り毎月必ずかかる費用です。この毎月の支払がいくらかによって、生涯支払い続ける光熱費の負担が大きく変わります。

生涯光熱費イメージ表

8,000円 / 月15,000円 / 月20,000円 / 月25,000円 / 月30,000円 / 月
1年96,000円180,000円240,000円300,000円360,000円
5年480,000円900,000円1,200,000円1,500,000円1,800,000円
10年960,000円1,800,000円2,400,000円3,000,000円3,600,000円
15年1,440,000円2,700,000円3,600,000円4,500,000円5,400,000円
20年1,920,000円3,600,000円4,800,000円6,000,000円7,200,000円
25年2,400,000円4,500,000円6,000,000円7,500,000円9,000,000円
30年2,880,000円5,400,000円7,200,000円9,000,000円10,800,000円
40年3,840,000円7,200,000円9,600,000円12,000,000円14,400,000円
50年4,800,000円9,000,000円12,000,000円15,000,000円18,000,000円
60年5,760,000円10,800,000円14,400,000円18,000,000円21,600,000円
70年6,720,000円12,600,000円16,800,000円21,000,000円25,200,000円

年月が経てば経つほど光熱費の差が大きくなっていくことが分かります。
ちょうど住宅ローンの支払いの終わりが見えてくる30年でどれくらいの違いになっているかを比較してみましょう。

≫月々、8,000円の光熱費との差額

≫月々15,000円の光熱費との差額

150万円以上の違いが生じているのが分かります。また、大切なことを見落としてはいけません。上の表は、単純な月々の電気代から生涯生活費を導き出しており、電気代の高騰等は加味されていません。電気代が高騰したとき、一番負担が大きくなるのがエネルギーをたくさん使う「住まい」です。



エネルギー料金が1.25倍や1.5倍に高騰したときのことを想像してみてください。8,000円の支払いの家や15,000円、20,000円、25,000円、30,000円の家。使用するエネルギー量が大きい家であればある程、エネルギー料金が高騰したときの打撃は大きくなります。そして、30年、50年と生活をしていくなかでエネルギー料金が高騰すると、更に生涯光熱費の差は大きくなっていきます。

住宅ローンの多くは35年程で支払いが完了するのに対して、光熱費は生活していく限り生涯続いていくものです。「どれくらいエネルギーを使わない家なのか?」そんな目線で住宅を選ぶことも、これからの生活の営みを守るためにも大切な要素になっています。


もちろん性能の良い家を買おうとすると初期費用は高くなります。では、いくらの差額の範囲内であれば得なのか?そんな興味がある人は住宅ローン相談会へ!!

エアコンのメンテナンスコスト

電気代だけでは、ありません。建物の性能を上げると、過剰な設備を導入しなくても快適な住空間を整えられるという嬉しい一面があります。一般的には各居室にエアコン一台必要という考え方が多いですが、高断熱・高気密住宅であれば年間を通してエアコンは一台を稼働していただければ家全体を快適に生活することができます。そのため、最初に設置するエアコンは2台程度に抑えることができます。そこで一つご紹介したいのがエアコンのメンテナンスサイクルについてです。

エアコンのメンテナンスサイクルはご存じでしょうか?
エアコンの買い替え時期は、一般的には10年~15年程と言われています。

エアコンを買い替える際にかかる費用の相場は

古いエアコンの取外し費用 = おおよそ5,000円~9,000円
古いエアコンのリサイクル = おおよそ1,000円
新しいエアコンの購入費用 = おおよそ60,000円~130,000円
新しいエアコンの設置費用 = おおよそ12,000円~20,000円
合計 78,000円~250,000円
※エアコンの機能や対応畳数、そして設置位置等によって費用は異なります


10年経って交換するエアコンの台数


仮に、各居室1台ずつ利用しなければならない場合だと4人家族であればプライベート空間に1台ずつとリビングに1台。夫婦の主寝室に1台と子供部屋に1台ずつと考えた場合、合計4台のエアコンが必要となります。リビングと主寝室を容量の大きいものを設置したと仮定して、25万×2台=50万円。子ども部屋が7.8万円×2台=15.6万円。合計65.6万円が10~15年のサイクルでかかる費用になります。

対して、少ないエネルギーで家全体を快適に整える高断熱・高気密住宅であれば、エアコンは2台の設置でおおよそ問題はありません。仮に1階のリビングと2階の主寝室に設置すると仮定し、25万×2台=50万円。
各居室に必要となる家と比較すると15.6万円のエアコン費用が浮きます。

30年生活を続け、エアコンが15年もったとしても最初の費用と一度の買い換えで31.2万円違います。そして、この差は光熱費同様に長く住むほど大きくなります。

まとめ

高断熱・高気密住宅の性能によって、建物が完成した後の光熱費やエアコンのメンテナンスコストについて、ご紹介をさせていただきました。10年から15年程で乗り換える車も、燃費で判断するようになっています。今後もガソリン代の高騰等、生活必需品の高騰が予測されます。30年、50年と生活を続けていく家だからこそ、住み始めてからかかる費用についても考えて購入を検討されるのが、より安心して生活を続けていくことへ繋がるのではないでしょうか。
本記事が、これから家づくりを進める方の「住宅選び」の参考となれれば幸いです。

また、いくら光熱費やエアコンのメンテナンスコストが低くなったとしても、性能を良くすると最初のコストが高くなってしまう。結局は、総支払額は変わらないのではないか?と疑問をお持ちの方。弊社でご紹介している住宅ローン相談会にて、ローンの金利や利息も含めて一般住宅と高性能住宅では、どちらが得なのか、ご紹介をしております。
ご興味がございましたら、ご参加ください。

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