
住宅購入や家づくりを検討し始めると、「BELS(ベルス)評価書」という言葉を目にすることがあります。
住宅会社のパンフレットや補助金の説明、住宅ローン減税の条件などで見かけた方も多いのではないでしょうか。
しかし、こんな疑問をお持ちの方も少なくないのではないでしょうか?
- BELSってそもそも何?
- 評価書って何のためにあるの?
- 取得すると何か得なの?
この記事では、BELS評価書とは何なのか、どんな役割があるのか、住宅購入者にとってどんなメリットがあるのかをご紹介します。
BELS評価書とは?住宅の省エネ性能を第三者が評価する制度

住宅の省エネ性能の評価方法は大きく2つ。1つめが、販売・賃貸業者が自ら評価して表示する評価制度。2つ目が、第三者の会社が審査する第三者評価制度です。BELSは、後者の第三者評価制度の一つになります。
BELSとは「Building-Housing Energy-efficiency Labeling System」の略称で、
住宅や建物の省エネ性能を第三者機関が評価・表示する制度です。
住宅の“燃費性能”を分かりやすく見える化したものとイメージすると理解しやすいかもしれません。
自動車で言えば「燃費表示」があるように、住宅でも「どれくらい省エネ性能が高いのか」「エネルギー消費量がどれくらいなのか」を評価して示す仕組みです。
BELS評価書で分かること

(一般社団法人 住宅性能評価・表示協会HP参照)
BELS評価書では、住宅の省エネ性能を「住宅省エネ性能ラベル」として分かりやすく表示しています。このラベルを見ることで、その住宅がどの程度省エネ性能を備えているのかを一目で確認することができます。
主に次のような内容が表示されます。
エネルギー消費性能(★マーク)
住宅がどれくらいエネルギーを効率よく使えるかを示す指標です。
ここでは BEI(Building Energy Index) という数値をもとに評価され、
★(星)の数で省エネ性能が表示されます。
BEIとは、
国が定める省エネ基準と比較して、どの程度エネルギー消費を削減できているか
を示す指標です。
例えば、
- BEI=1.0 → 国の省エネ基準と同じ
- BEI=0.8 → 基準より20%省エネ
- BEI=0.6 → 基準より40%省エネ
という意味になります。
星の数が多いほど、エネルギー効率の良い住宅であることを示しています。
断熱性能
住宅の断熱性能は以下の2つの数値をもとに評価されます。
- UA値(外皮平均熱貫流率)
- ηAC値(冷房期の日射熱取得率)
UA値とは、家の中の熱がどれくらい外へ逃げにくいかを示す指標で、ηAC値は夏の日差しの熱がどれくらい室内に入りにくいかを表す指標です。これらの数値をもとに、国が定める地域区分ごとの断熱等級に当てはめて評価されます。
BELSでは、UA値とηAC値のうち低い方の等級が表示されるようになっています。
目安光熱費
BELSラベルには、住宅の省エネ性能をもとに算出された年間の光熱費の目安額も表示されます。
これは、一定の生活条件と一定の設備条件などを設定したうえで、その住宅で生活した場合に想定される年間の光熱費を試算したものです。実際の光熱費は、住む人数や生活スタイルによって変わりますが、住宅の省エネ性能をイメージする参考資料として見ることができます。
再生可能エネルギー設備の有無
住宅に太陽光発電が設置されているかどうかも表示されます。
再生可能エネルギー設備がある住宅では、自宅でエネルギーをつくりながら消費する仕組みを取り入れることができます。
ZEH水準への適合
BELS評価書では、その住宅がZEH(ゼッチ)水準の省エネ性能を満たしているかも確認できます。
ZEHとは「Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の略で、高い断熱性能と高効率設備、再生可能エネルギーを組み合わせて、年間のエネルギー収支を実質ゼロにすることを目指す住宅のことです。ZEH水準に適合している住宅は、高い省エネ性能を備えた住宅の目安の一つともいえます。
BELS評価書は何のためにあるの?

BELS評価書の大きな目的は、住宅の省エネ性能を第三者が評価し、分かりやすくすることです。家づくりでは、断熱性能や省エネ性能は目に見えません。
そのため、「本当に性能が高いのか?」「どれくらい省エネなのか?」が分かりにくいという課題がありました。
そこで、国の制度として第三者機関が評価して数値や星で表示することで、住宅購入者が比較しやすくなっています。
BELS評価書は取得したほうがいいの?

BELS評価書は、すべての住宅で必ず取得しなければならないものではありません。そのため、住宅会社や住宅の仕様によっては、取得していないケースもあります。
ただし、BELS評価書を取得しておくことで、断熱性能や省エネ性能といった完成後に目で確認することが難しい部分を、第三者機関が評価した証明書として残すことができます。
また、補助金制度や住宅性能の証明が必要な場面では、BELS評価書が役立つこともあります。将来的に住宅を売却する際にも、住宅の省エネ性能を示す資料として活用できる可能性があります。
そのため、必須ではありませんが、住宅の性能を「見える形」で残しておきたい場合には、BELS評価書を取得しておくことも一つの選択肢といえるでしょう。次章では、実際にBELS評価書を取得することのメリットについてご紹介します。
BELS評価書があると得なの?

結論から言うと、場合によってはメリットがあります。主に次のような場面で関係してきます。
①補助金の申請
住宅の補助金制度では、「ZEH補助金」や「子育てグリーン住宅支援事業」、「各種省エネ補助金」などで、BELS評価書の提出が求められるケースがあります。
補助金の制度によっては、申請時にBELS評価書の提出が必要となる場合があり、住宅の省エネ性能を証明する資料として活用されることがあります。
②住宅の性能証明として使える
BELS評価書は第三者機関による評価のため、住宅の省エネ性能を客観的に証明できる資料です。そのため、将来住宅を売却する際のアピール材料として活用できる可能性もあります。
最近では、省エネ性能の高い住宅ほど資産価値が維持されやすいとも言われています。
③住宅ローンの金利優遇に関係する場合も
制度によっては、各種金融機関の金利優遇制度を利用する際に、住宅性能を確認する資料としてBELS評価書が利用される場合があります。
そのため、住宅性能を証明する資料として、申請時に活用されるケースもあります。
BELS評価書はいつ取得するの?

BELS評価書は、住宅の設計内容をもとに第三者機関が省エネ性能を評価する制度です。
そのため、評価は申請者が提出する図面や仕様書、計算書などの申請図書をもとに行われます。
一般的には、次のような資料を提出し、それらをもとに住宅の省エネ性能が評価されます。
・平面図
・立面図
・断熱仕様
・設備仕様
・一次エネルギー消費量の計算書
BELSは新築住宅だけでなく、既存住宅や非住宅建築物も対象となっており、幅広い建物で評価を受けることができます。
また、評価を受けるタイミングにも特別な制限はなく、
- 設計段階(着工前)
- 工事中(着工後)
- 建物完成後(竣工後)
といった、さまざまなタイミングで取得することが可能です。
ただし、実際の家づくりでは設計段階でBELS評価を取得するケースが多くなっています。
これは、補助金の申請や住宅性能の証明書として利用する場合、早い段階で評価書が必要になることがあるためです。
そのため、BELS評価書は住宅の設計内容が決まり、省エネ計算が行われたタイミングで取得することが一般的といえるでしょう。
まとめ
BELS評価書は、住宅の省エネ性能を第三者機関が評価し、星や数値で分かりやすく示した証明書です。
客観的に住宅の省エネ性能を確認できるだけでなく、補助金や各種優遇制度の申請時に、住宅性能を証明する資料として活用されることもあります。
これから家づくりを進める方は、住宅を建てる際にどのような補助金や税制優遇制度が利用できるのかを、あらかじめ確認しておくことも大切です。本日ご紹介したBELS評価書も、そうした制度を利用する際に活用できる場面があるかもしれません。
住宅の省エネ性能を判断する一つの参考資料として、BELS評価書の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
参考資料
