

犬は家族の一員。せっかく注文住宅を建てるなら、人間だけではなく、愛犬にとっても快適な住まいにしたいですよね。そこで、本コラムでは人間だけではなく、愛犬にも快適な住まいの工夫や建物の性能、素材等についてのポイントをご紹介いたします。これから家を建てる方やリフォームを検討している方の参考にしていただければ幸いです。
犬と快適に暮らすために必要な性能とは

犬と快適に暮らすためには、家の基本性能は落とさないのがおススメです。この部分は犬の健康や寿命にも関わる重要な要素となりますので、特に大切にしていただきたい部分です。ここでは、犬と快適に暮らせる室内環境を整えるという点に着目して、ご紹介をしていきたいと思います。
断熱性能で快適温度を維持
第一に、断熱性能です。良好な断熱性能を持つ家では、外の気温の影響を受けにくく、室内の温度を一定に保つことができます。このため、夏のエアコンや冬のヒーターの稼働が少なくて済み、電気代の節約にもつながります。この断熱性能は、寒冷地や暑い地域にお住まいの方には、特に大切にしていただきたいポイントです。犬も人間と同様に家のなかの温度ムラが激しいと身体に負担がかかります。特に老犬や子犬は、極端な温度変化に敏感ですので、快適な室温を維持することが必要です。そのために、漏気を無くし、室内の快適な温度を維持するために気密性を高めることも大切です。これによって、家のなか全体が一定の温度を保ちやすく、冷暖房効率も高まるため、愛犬の健康に良い影響を与えてくれます。
防音性能でストレス軽減
次に、防音性能です。犬は音に敏感な動物です。ちょっとした音でもストレスを感じることがあります。特に、雷や花火の音、大きな工事音などは、愛犬にとってあまりにも大きな刺激となり、不安感や恐怖を引き起こす場合があります。これにより、吠え続けたり、落ち着きを無くして逃げ回ったりする行動が見られることもあります。それ故に、ある程度の防音性能は、犬と快適な生活を送るために重要な要素です。そこで、まず大切なのが気密性能です。家に隙間が多いと外部の音が侵入しやすく、逆に家のなかの音が外へ漏れやすい構造となりますので隙間をできるだけ無くすことが大切です。また、内装材も防音性能を考慮したものを選ぶと良いでしょう。例えば、厚手のカーペットや壁面に吸音材を使用することが効果的です。愛犬が安心してリラックスできる環境を提供することは、彼らのストレスを軽減し、より健康で長生きすることへ繋がります。
防汚・防臭性能で清潔を保つ
犬は時に泥や汚れを持ち込むことがありますし、特に室内で生活する際には臭いも気になる存在です。そのため、防汚・防臭性能は、ペットを飼っている方には必須です。まず、防汚性能について考えてみましょう。注目すべきは素材です。耐久性が高く、汚れのつきにくい素材を選択することで、お手入れがより簡単になります。例えば、リビングや廊下には、掃除がしやすいタイルやモルタル系の素材を選ぶと良いでしょう。こうした素材であれば、汚れた際に、すぐに拭き取ることができます。次に、防臭性能です。においが気になる方は、壁紙をペット用クロスや漆喰、珪藻土、エコカラット等の消臭効果のある素材を選ぶと良いでしょう。また、換気システムを十分に考慮することで、室内の空気を新鮮に保つことができ、ニオイの発生を抑える効果も期待できます。このように、清潔で快適な住環境を維持するために、防汚・防臭の機能をもった素材を選ぶことは、犬との生活をより豊かにするための大切なポイントです。
犬と快適に暮らすためのアイデア

犬と快適に暮らすための工夫について、あると便利な空間をいくつかご紹介いたします。
庭にドッグランを設置する
愛犬と暮らす多くの方が憧れるドッグラン。庭にドッグランを設置することで、愛犬が自由に走り回れるスペースを確保することができます。これにより、運動不足を解消し、ストレスを軽減する効果があります。また、愛犬が楽しそうに遊ぶ姿を見ることは、家族にっても大きな喜びへ繋がり、毎日の暮らしをより豊かにしてくれます。ドッグランを設置する際には、広さや安全性を考慮することが重要です。庭の一部をフェンスで囲むことで、犬が安心して遊べる環境を整えることができます。また、クッション性のある芝生やウッドチップを敷くことで、犬の足にも優しい空間になります。さらに、敷地に余裕があれば遊具を設置することもおすすめです。トンネルや障害物など、愛犬が楽しめるアイテムを用意することで、運動能力を高めながら楽しむことができます。このように、庭にドッグランを設置することで、愛犬にとって快適で楽しい空間を提供できるだけでなく、一緒に暮らす家族も愛犬とのコミュニケーションを深めることができます。
犬専用の足洗い場
次に、犬専用の足洗い場を設けるのもおススメです。散歩から帰った後に室内に入る前に足を洗うことで、家の中に泥や汚れを持ち込むことを防ぎ、清潔な環境を維持することができます。特に雨の日や泥の多い季節にぴったりの設計です。足洗い場は、玄関や庭の近くに設置し、ペット用水栓を取り付けることで、お手入れも簡単になります。また、足を洗うための場所がしっかりとした排水設備を持つことも重要です。加えて、足洗いの後は、乾かすためのタオルを近くに置いておくと、犬の足をさっと拭くことができ、素早く家の中に入ることができます。このように、犬専用の足洗い場を作ることで、清潔で快適な住環境を保つ手助けになるでしょう。愛犬との暮らしがより楽しめること間違いなしです。
犬がくつろげるプライベートスペース
犬が心地よくくつろげるプライベートスペースをつくることは、愛犬のストレス軽減や快適な生活に寄与します。まずは専用の犬用ベッドやクッションを設置することを検討してください。このベッドは、犬が安らぐための場所として機能し、安心感を与えます。また、プライベートスペースは人間の生活空間から少し離れる場所に設けることが理想的です。これにより、犬が静かに過ごせる時間を作ることができます。例えば、リビングの隅や、玄関のそばなど、静かで落ち着いた場所が良いでしょう。さらに、適度な照明や換気も考慮してあげましょう。明るすぎると犬が落ち着かなくなるため、柔らかい間接照明などを使うと良いでしょう。愛犬にとっての特別な場所を作ることで、より犬が安心して過ごすことができます。
滑りにくい床材を選ぶ
滑りにくい床材を選び、足元の安全を確保することは、愛犬が快適に過ごすために重要です。特に高齢犬やまだ成長途中の子犬は、滑りやすい床で転ぶリスクが高くなります。おすすめの床材としては、クッション性のあるビニール床や、耐久性のあるラミネートフローリングがあります。これらの素材は、滑りにくい特性を持ち、犬の足元にも優しいため、安全な環境を提供することができます。また、カーペットもおススメです。特に短毛のカーペットは、犬の爪が引っかかりにくく、歩きやすい環境になります。さらに、カーペットはクッション性も高いため、転倒時の衝撃を吸収する効果が期待できます。このように、床材の選択は、家全体のデザインだけでなく、愛犬の安全を守ることにも影響します。インテリアに合った滑りにくい床材を選び、機能性と美観を両立させる住まいを実現してください。
建築前に確認しておくべきこと

建物の着工が始まると後からプランを変更するのは容易ではありません。そのため、着工する前に確認しておきたいポイントについてご紹介します。まず、ペットのために必要なスペースを確保できているか。リビングや庭の広さを検討し、愛犬が自由に動き回ることができるようにしましょう。特に、遊ぶためのエリアや休息するための静かな場所を設けることを忘れないでください。次に、使用する素材についても考慮が必要です。耐水性や耐傷性の高い床材を選ぶことで、犬による傷や水はねから住宅を守ることができます。また、犬が誤って噛んだり、舐めたりしても安全な素材を選ぶと安心です。最後に、愛犬が脱走しないよう、庭や外部スペースのフェンスの高さや仕様も確認しておきましょう。これらの事項を事前に確認することで、愛犬と快適に暮らせる住宅を作る基盤が整います。愛犬とのハッピーライフを実現するために、最終決定前に再度、問題ないか確認してみてください。
まとめ
家族の一員である犬にとっても快適な住まいとは、どんな住まいなのか、ご紹介をさせていただきました。人間だけではなく、犬にとっても快適な室内環境をどう整えてあげるかで、犬の健康や寿命にも影響を与えます。大切なパートナーだからこそ、健康で長生きして欲しいですよね。そのために、まずは住宅の性能や空間の工夫、床材選びや、庭スペースの活用等、さまざまな視点から工夫を凝らし、愛犬との生活をもっと豊かにしてみませんか?あなたと愛犬がずっと幸せに暮らせる家づくりを、ぜひ計画してみてください。